駅徒歩17分は遠い?|同じ家賃で45㎡・2部屋になる暮らしを想像してみた

間取りを読む
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「駅徒歩17分」。物件サイトで検索すると、「やめとけ」「後悔する」という言葉と一緒に出てくる条件です。

今回は、JR中央線・阿佐ヶ谷駅から徒歩17分、築26年の2DK(45.3㎡・家賃98,000円)を題材にしました。一人暮らしで、部屋が2つ。以前、ほぼ同じ家賃で6畳ワンルームを見た回があるので、「同じお金で、何が変わるのか」を軸に読んでいきます。

前半は、この物件を一般論として読みます。間取り、数字、そこでの暮らし方。後半で、私ならどう判断するかを書きます。

※この物件は架空です。間取り図・写真・周辺情報はすべて創作で、実在の物件とは関係ありません。

※AIで作成した間取りと部屋写真のため一部間違えている箇所もございますが、ご愛嬌ということで大目に見ていただけると幸いです☺️

物件の条件

家賃98,000円(管理費 5,000円)
間取り2DK(DK 7.0帖・洋室A 6.0帖・洋室B 6.0帖)
専有面積45.3㎡
階数3階建の2階(中住戸・エレベーターなし)
向き南(窓は南面の2か所と、北面の小窓のみ)
築年数・構造築26年・鉄筋コンクリート造(床とクロスは張替済み)
最寄駅JR中央線「阿佐ヶ谷」駅 徒歩17分(自転車 約6分/バス停徒歩3分+乗車7分)
ある設備壁付けキッチン(2口ガスコンロ)・浴室1216(換気扇のみ)・小さな洗面ボウル・普通の便座・エアコン1台(洋室Aのみ)・音声インターホン・駐輪場(無料)
ない設備オートロック・宅配ボックス・追い焚き・浴室乾燥機・独立洗面台・温水洗浄便座
収納洋室Aにクローゼット・洋室Bに押入(奥行85cm)・廊下に小さな収納
契約条件敷金1ヶ月・礼金0・更新料1ヶ月

周辺は、スーパーが徒歩5分、コンビニ4分、ドラッグストア7分、小さな商店街6分、公園3分、図書館10分、病院8分。

駅までの道は、ほぼ平坦。ただし掲載資料には「建物の手前は夜に人通りが少なくなる」「街灯の多い通りに迂回すると徒歩20分」「雨の日は濡れやすく、バス停に屋根はない」とあります。駅前の駐輪場は1日150円、月極2,000円。

夜道やバス停の屋根まで正直に書いてある掲載資料は珍しい。普通は、内見のときに自分の足で確かめるしかない情報です。この記事では、それを全部数字にしてみます。

間取り図を読む

部屋が2つある、ということ

洋室A 6帖と洋室B 6帖が南側に並び、間の引き戸を開けると12帖の続き間になります。北側にDK 7帖。

一人暮らしで部屋が2つあると、まず「寝る部屋」と「それ以外」を分けられます。ワンルームでは、寝る・食べる・くつろぐ・洗濯物を干すが、全部同じ床の上で起きる。この部屋は、それを壁で分けられる。45㎡という数字より、この「分けられる」の方が大きいと思います。

北向きのDKは、昼でも照明がいる

DKの窓は北面の小窓1つだけ。しかも共用廊下に面していて、面格子つき。掲載資料にも「日中も照明が欲しくなる明るさ」とあります。

つまりこの部屋は、明るい南の2部屋と、暗い北のDKに、はっきり分かれています。DKで長く過ごす前提の間取りではなく、「料理して、食べたら南の部屋に戻る」場所と読んだ方がいい。7帖ありますが、テーブルを大きくしても居心地は良くならないと思います。

収納が3か所ある

前回見た1LDKは収納が1つで、そこが最大の弱点でした。こちらは、洋室Aのクローゼット、洋室Bの押入、廊下の小さな収納の3か所。

とくに押入は奥行85cm。布団、スーツケース、季節家電、扇風機。深い収納には「奥に入れたものを出すのが手間になる」という弱点がありますが、これは中に入れる道具で解決できます(後で書きます)。

ない設備を「足せるもの」と「足せないもの」に分ける

築26年らしく、ない設備が多い部屋です。ここで大事なのは、全部を同じ重さで数えないことだと思います。

自分で足せるもの。温水洗浄便座(1〜2万円。賃貸でも取り付けられて、退去時に元の便座に戻せる)。宅配ボックス(置き型を玄関前に)。エアコン(洋室Bに追加。大家さんに相談したうえで、自費でも6〜8万円)。浴室乾燥機の代わりは、部屋干し。部屋が2つあるからできる。ドラム式洗濯機にしても良い。

足せないもの。オートロック、追い焚き、独立洗面台、2.3mの天井高、北向きのDK。

足せないものだけで判断すると、追い焚きは一人暮らしなら「溜めてすぐ入る」で済み、洗面ボウルは歯磨きと洗顔には足りる。毎日の暮らしに本当に効く「足せない不利」は、北向きのDKと天井の低さくらいです。

「駅徒歩17分」を数字にする

歩く・自転車・バス

徒歩17分は、往復34分。月に20日通えば、約11時間。

自転車なら6分。往復12分、月4時間。駅前の駐輪場が月2,000円。徒歩との差は、月7時間。

バスは、バス停まで3分、乗車7分、それに待ち時間。仮に片道220円とすると月8,800円で、時間は徒歩とあまり変わりません。毎日の通勤手段としては、選びにくい。

つまりこの物件は、駐輪場に月2,000円払えば「駅徒歩17分」が「駅まで6分」になります。自転車に乗る人にとって、駅徒歩17分は不利な条件というより値引きに近い。ただしこれは、晴れの日の話です。

家賃98,000円の「本当の値段」

駅から遠い物件が安いのは、その分を時間か交通費で払っているからです。だから、家賃に足して考えます。

家賃98,000円+管理費5,000円+駐輪場2,000円=105,000円。更新料(1ヶ月分を24で割って月約4,100円)を足すと、実質、月約109,000円。これで45㎡、部屋が2つ。

ちなみに、引っ越し代も同じで、定価がありません。頼み方の選び方はこちらで書きました。

引っ越し業者はどう選ぶ?|4つの方法と、安くする4つのポイント、その前にやること
引っ越しに定価はなく、同じ荷物でも業者と日で3〜12万円変わる。専門業者・運送業者の単身ボックス・くらしのマーケットなどの個人業者・自分で運ぶ、の4つの方法を荷物の量で選び、相見積もり・時期・自分でやる範囲で下げる。愛媛→東京の実体験と、引越し侍を実際に試した結果。

以前見た6畳ワンルームは、家賃90,000円でした。差は月2万円弱で、部屋が2つ増えてDKがつく。

㎡あたりの家賃にすると、差がもっとはっきりします。

  • 恵比寿の1K(23㎡・145,000円):約6,300円/㎡
  • 中野の1LDK(40.2㎡・165,000円):約4,100円/㎡
  • 今回の2DK(45.3㎡・98,000円):約2,200円/㎡

同じ1㎡に、恵比寿は約3倍払っている。差額は部屋の質ではなく、立地代です。駅徒歩17分と築26年は、その立地代を削るための2つの条件だと読めます。

夜道と、雨の日

掲載資料に「建物の手前は夜に人通りが少なくなる」とあります。徒歩なら、暗い区間を歩くのは数分。自転車なら1分ほど。怖さは距離ではなく、そこにいる時間で決まるので、ここも自転車が効きます。

雨の日は、選択肢が3つ。傘で17分歩く。屋根のないバス停でバスを待つ。自転車に傘ホルダーやレインウェアで乗る。どれも「晴れの日の6分」には戻りません。

この3つのどれを、無理なく選べるか。駅徒歩17分の物件に向いているかどうかは、晴れの日の計算ではなく、雨の日の自分を想像したときに決まると思います。

この部屋で暮らす1日を想像してみた

朝:南の部屋で目が覚める

寝室は洋室A。エアコンがあるのはこの部屋だけなので、夏を考えると自然にそうなります。南向きなので、東向きのように朝一番の光が真横から入るわけではありませんが、遮光カーテンを閉めなければ、6時台には十分明るい。

朝食はDKで、照明をつけて。北向きのDKで長居する朝食にはなりません。食べたら南の部屋に戻る。出発は自転車で、1階の駐輪場から6分で駅。

昼(休日):2部屋目をどう使うか

洋室Bの使い方は、大きく3つあります。

  • 寝室+リビング。ソファとテレビを置く、ワンルームの延長
  • 寝室+仕事部屋。在宅勤務が多い人向け
  • 寝室+何も置かない部屋。洗濯物を干す、運動する、荷物を広げる。使わないものは押入へ

どれを選んでも、ワンルームでは無理だった「分ける」ができる。6畳ワンルームでは、洗濯物を干すと部屋の半分が使えなくなりました。この部屋なら、干している部屋を閉めて、もう1部屋でくつろげます。

午後は、自転車で3分の図書館か、徒歩3分の公園。バルコニーは2階なので、眺めは向かいの家の屋根と電線。景色を楽しむ物件ではありません。

夕方:駅前の駐輪場から、カゴに買い物を入れて

駅前の駐輪場で自転車に乗って帰る。スーパーは家から徒歩5分なので、寄って、カゴに入れて帰る。重いものは通販に任せる。宅配ボックスはないので、置き配にするか、置き型のボックスを玄関前に置くか。

夜:追い焚きがなくても困らない

風呂は、溜めてすぐ入る。一人暮らしで追い焚きが必要になるのは、溜めてから入るまでに時間が空くときだけです。二人暮らしなら弱点になりますが、一人なら気になりません。

洗面ボウルで歯磨き。収納がないので、歯ブラシもコップも吊るす。

夏:エアコン1台の限界

正直に書くと、夏は洋室Bが使えない時間帯が出ます。続き間の引き戸を開けてサーキュレーターで風を送れば多少は効きますが、6帖用のエアコン1台で12帖は無理です。

2部屋目を「夏の昼間は使わない部屋」と割り切るか、洋室Bにもエアコンを足すか。足すなら、大家さんに相談してからです。

この部屋で選ぶ道具

押入を「奥まで使える」収納にする

奥行85cmの押入は、そのまま使うと、奥に入れたものが出せなくなります。キャスター付きの引き出しケースを入れて、引き出せば奥まで見える形にする。上段は季節物とスーツケース、下段はキャスター付きのケース。

布団で寝る人なら、押入はそのままで理想的です。ベッドで寝る人は、洋室Aにベッド、押入は「出番の少ないもの全部」の場所にする。

温水洗浄便座と、置き型の宅配ボックス

温水洗浄便座は、賃貸でも自分で付けられます。今の便座を外して保管しておき、退去時に戻す。1〜2万円。置き型の宅配ボックスは玄関前に。この2つで、「ない設備」のうち毎日使う部分は埋まります。

北向きDKの照明

DKは昼でも照明をつける部屋です。電球色だと暗く沈むので、昼白色に。食べる場所なので、明るい方がいい。

自転車まわり

カゴ付きの自転車と、カゴのレインカバー。小雨の日のために、傘を固定するホルダー。夜道を通るので、ライトは明るめのもの。駅前の駐輪場は、1日150円を払い続けるより月極2,000円で契約する。月14日以上使うなら月極の方が安い。

私ならこの物件をどう判断するか

ここまでは一般論として読みました。ここからは私の話です。

駐輪場があるので、晴れの日の駅徒歩17分は、私には自転車6分です。小雨なら、傘を自転車に取り付けて駅へ向かいます。本降りならバス。歩く、は選びません。

それでも正直に書くと、私はそもそも、駅から遠いところに住まないようにしています。理由は、駅の利用率が高いから。

利用率の高いものには、費用をかける。

これは家賃にも当てはめていて、毎日使う駅までの距離は、削る側ではなく、お金を払って買う側の条件だと思っています。

もうひとつ。雨の日は、自転車があっても、外出したい気持ちが極端に減ります。駅が近くないと、そもそも歩く気が起こらない。「月2,000円で駅まで6分になる」という計算は晴れの日には正しいのですが、雨の日の私には効きません。

職場がこの街のエリア内で、駅をほとんど使わない生活なら、話は別です。そのときは、駅徒歩17分は本当に「値引き」になる。

休みの日に出かけることが多い人にも、駅遠は毎週効きます。帰りが遅くなった日、疲れているうえに、夜道が暗い。掲載資料の「建物の手前は夜に人通りが少なくなる」は、そういう日に読む一文だと思います。

家の中については、減点は前回と同じです。3階建の2階で下に住戸があるので、家で運動をする私には1階より気をつかう。北向きのDKと、夏の洋室B。ない設備は、ほとんど自分で足せる。

ただし、これも正直に書いておくと、私は駅をほぼ使わない郊外に住んだ経験はあっても、都会で駅から遠い物件に住んだ経験がありません。住んでみたら「意外と困らない」と判断する可能性もある。今の私には、まだ判断できないところです。

まとめ

  • 駅徒歩17分は、自転車なら6分。駐輪場代2,000円を家賃に足して比べる
  • 実質 月約109,000円で45㎡。㎡あたりの家賃は、恵比寿の1Kの約3分の1
  • 北向きのDKは「食べる場所」と割り切り、南の2部屋で暮らす
  • ない設備は「足せる/足せない」に分ける。足せないのは北向きDKと天井高くらい
  • 2部屋目は「床を空けておく部屋」。干す・運動する・しまう
  • 夏はエアコン1台の限界が出る。ここは正直に減点

ほぼ同じ家賃の6畳ワンルームを読んだ記事は、こちらです。

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